伝統芸能も生き物

2006年03月30日

今朝の琉球新報の「記者の余禄」というコラムに、文化部の関戸 塩 氏が「いまの琉大八重芸」という記事を書いておられます。
関戸氏は琉球大学で39年続いている八重山芸能研究会のOBで、9年程前は現役部員として活動されていたが、今は記者として取材する側におられるということで、感じることが色々おありのようです。

琉大の八重芸といえば、毎年テーマを決めて、夏季休暇を利用し八重山の離島に渡り、島の方々から実際に現地の芸能を取材し、習得したものを発表会で披露するという活動をなさっています。
私も何度かその公演をみたことがありますが、これが学生さんのクラブ活動?と思うくらいレベルも高くていきいきと素晴らしく、観る者を楽しい気持ちにさせる笑顔と、芸能に対する真摯で素直な姿勢と、ユーモアとサービス精神に富んだ、本当に素晴らしい公演なのです。

三線にしても踊りにしても、私たちが習おうと思って先生についたり団体に所属したりすると、自動的に流派がついてきたりするものですが、八重芸の芸能は、今の現地の芸能をそのまま忠実に習っているためにある種の土臭い味わい深さとすがすがしさが感じられます。

関戸氏は、その八重芸での活動とその後の取材活動の中で、同じ唄でも、昔取材した時とその後では、衣装や踊りの手が違っていたりして当惑されたそうですが、
(伝統芸能とは「変わらず受け継がれるもの」だと思っていた)が、今は(伝統芸能も人が携わり、変化もする、生き物のような存在であり、それが文化なのだと思う)
と書かれています。

民謡は生き物。
うちの師匠もよくそういうようなことをおっしゃいますが、生き物だから面白いし色んな人に歌われていくものなんですよね・・・。


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Posted by うみかじ at 23:59│Comments(0)つれづれ
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