「誤解だらけの沖縄・米軍基地」屋良朝博著((株)旬報社)

2012年11月05日

「誤解だらけの沖縄・米軍基地」屋良朝博著((株)旬報社)

先日、発刊されたばかりの「誤解だらけの沖縄・米軍基地」 屋良朝博著((株)旬報社・1,260円)です。

屋良朝博(やら・ともひろ)さん
1962年沖縄県北谷町生まれ。フリーランスライター。フィリピン大学を卒業後、沖縄タイムス社入社。
92年から基地問題担当、東京支社、論説委員、社会部長などを務めた。
2006年の米軍再編を取材するため、07年から1年間ハワイ大学内の東西センターで客員研究員として在籍し、「砂上の同盟-米軍再編が明かすウソ」(沖縄タイムス社)を出版。2012年6月に退社。 (著者紹介より)


沖縄の基地問題、はどうしてこのように膠着しているのでしょうか?
最近では、万人単位の人々が参加した県民大会で配備を反対したにもかかわらずオスプレイ配備が強行され、住民が5年以上も座り込みで反対しているにもかかわらず、東村高江にはオスプレイパッドの建設工事が進められ、沖縄県内全41市町村長がオスプレイ配備と飛行訓練に反対しているにもかかわらず、日米両政府は無視しています。
先日はまた、米兵による強姦事件や不法侵入・暴行事件がおきました。
「オスプレイは危険か?安全か?」などの論議が ちまたで飛び交いますが、それ以前に、「沖縄県内にもう基地は、いらない!」というのが本音だと私は思います。

「誤解だらけの沖縄・米軍基地」屋良朝博著((株)旬報社)

これ、すべて“誤解"です!
・沖縄に基地が集中するのは地理的に優位だからだ。
・基地の移転ができないのは、アメリカの都合だ。
・中国が尖閣諸島を攻めてくれば、沖縄にいる米軍が対処してくれる。
・基地がないと、沖縄は経済的に困る。

(著書の帯より)

著書あとがきより。
「海兵隊は日本本土に駐留しても十分機能するにもかかわらず、政府はその事実をひた隠しにしています。本土へ基地をもってくと、国民の猛反対が起き、日米同盟が維持できなくなると政府は心配しています。(中略)
本書で新たなローテーション方式を提案したように、海兵隊の運用を知ればさまざまな解決策が検討できるはずです。しかし沖縄の基地問題は多く論じられるけど、基地の最大の使用者である海兵隊のことは知られていません。(中略)
防衛省を担当する全国紙や放送機関の記者のなかで、沖縄基地の大部分を占める海兵隊の運用実態に精通している人はいないでしょう。(中略)
そこから発信される基地問題の報道は、「沖縄から海兵隊を動かせない」という先入観にもとづいて書かれるので、多くの日本人もそう信じます。そして日本国民が考えるべき米軍駐留、安保の負担、沖縄問題はすべて「他人事」になってしまうのです。」


著者は、日本に米軍基地はいらない、とは言っていません。もう沖縄県内に置く必要はない、ということです。
140頁ほどの1冊に、とてもわかりやすく解説されています。

著書「はじめに」より。
「外国軍基地は地域住民の理解がなければ存続ができません。沖縄の状態を放置し、無理に現状を維持するのは、かえって日米同盟を粗末に扱うことになります。
問題を解決するにはそのなかみを知ることが第一歩です。本書は海兵隊の運用を紹介しながら、沖縄でなくても十分に機能できることを証明し、そして問題解決のシナリオを提示しました。」


「誤解だらけの沖縄・米軍基地」屋良朝博著((株)旬報社)

12月9日の15時から、ジュンク堂那覇店1階エスカレーター横特設会場にて、この本の著者・屋良朝博さん(フリーランスライター・元沖縄タイムス論説委員)と岡留安則さん(ジャーナリスト・元「噂の真相」編集長)の特別講演会があるそうです。(参加無料)
興味のある方はぜひいらしてみてはいかがでしょうか?(私は当日東京からの移動中のため行けませんが・・・)

[ご参考]
OAM(沖縄オルタナティブメディア)「オルタナ・クール」第16回 ゲスト:屋良朝博さん「誤解だらけの沖縄・米軍基地」は本当に"誤解"か? 動画はこちら


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Posted by うみかじ at 01:37│Comments(0)書籍・雑誌・CD
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