「辻の華 戦後篇 上・下」上原栄子 著

2012年04月13日

「辻の華 戦後篇 上・下」上原栄子 著先日読んだ「辻の華~くるわのおんなたち~」上原栄子 著(中公文庫)が、本当に読んで良かったと思った本だったので、その続編の「辻の華 戦後篇 上・下」(上原栄子 著 時事通信社発行)も購入して読みました。

「くるわのおんなたち」は、1915年沖縄生まれの著者が、4歳のとき辻遊郭に売られ、1944年に10・10空襲で焼け出された後、戦火を生き延びたところまでが書かれていますが、この「戦後篇」は、沖縄戦で見た地獄、捕虜になること、収容所での生活、アメリカの統治下での生活という時系列の回想記録があり、その具体的な描写に、沖縄戦を知らない私も、匂いや気持ちの動きまでも直に感じることができる、これもまた貴重な本なのでした。
そして、下巻に入ってまたとんでもない出来事が起こり・・・。本当にこれらは一人の人間が体験したことなのか?と思うほどの波乱万丈さなのですが、私は本当に何も知らなかった、とため息をつくばかりです。

今の沖縄に生きる人は、一度この本を読んだ方がいい。
内地者の私が大変僭越ですが、こういうことだったのか、と気づくこともたくさんありました。
そしてこの本には色んな要素があり、一人の女性としての人生、喜び、苦悩もそこにあります。
「くるわのおんなたち」だけでは一部分なので、もし興味のある方は、上下巻共にお読みになってみて下さい。


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Posted by うみかじ at 23:31│Comments(2)書籍・雑誌・CD
この記事へのコメント
おすすめの「辻の華」読み終わりました。
すっごく面白かった。
辻というところがヤマトの遊郭とはまるで違うものだって
はじめて知りました。
沖縄に生きなくても
沖縄に心動かされている人は
知らない沖縄を知ることができるのでおすすめですね。
幸い僕の住む町の図書館は
戦後篇上下巻も置いてあります(えらいですね)
早速続きを読むことにいたしましょう。
Posted by べっちー at 2012年04月16日 17:16
> べっちーさん

コメントをありがとうございます。
「くるわのおんなたち」面白かったでしょう?
「戦後篇」を読むと、上、と下、ではまた違ってくるし、歴史としても読めるけれど一人の女性としての心理状態とか、うちあたいすることもあればうーむと考えることもあり、戦中戦後の沖縄の方々はこのような目にあっていたんだとか、生活者の視点からなので肌で感じるように読めますし、色々な思いがしますが、読むべき本だったと思いました。

図書館で借りる!そうですね、その手があったなぁ。この後は、他の人に回したいと思います。
Posted by うみかじうみかじ at 2012年04月17日 19:46
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