うみかじBlog

今更ながらなのですが、録画しておいた5/25放送のNHK「SONGS」を観ました。DREAMS COME TRUEです。

昔、DREAMS COME TRUEというバンドが現れて、すぐに私も好きになったのですが、まだブレイク寸前の頃、京大の学園祭の無料野外ライヴで吉田グラウンドにドリカムがやって来ました。おそらく1989年の11月だったと思います。
私はすでに短大を卒業して社会人となっていましたが、京大も学園祭も身近な存在だったので、学園祭情報をチェックしていて、少し早めにグラウンドに行きました。ステージでは音出しをやっていて、誰かとても歌のうまい女の子が歌っていました。始まる前なので人もあまり集まっていなくて、あまり気を留めている人もいない感じでしたが、よく見ると美和ちゃんなのでした。
本番かぶりつきで無料のドリカムのライヴを楽しんだ私。あんなことはもう二度とないでしょうね。

今回のSONGSは、吉田美和さんと中村正人さんが、東日本大震災からちょうど2か月の日に行ったスタジオライヴの模様でした。
私は、音楽をやっている方やスポーツ選手の方がよくテレビで「被災された方に少しでも元気を与えられたら」などと言っているのを見ると、なんと恥ずかしげもなく抵抗もなく、おこがましいことが言えるなぁと思ってしまうのですが、今回のライヴの中で美和ちゃんが話したことには自然に共感できました。

「今日これをやらしてもらってることで、音楽の力を伝えたいとか、実は私の中ではちょっと違って、音楽の役割とか力とかももちろん、自分はプロの一応ミュージシャンなわけだしさ、それは本当に、あったらいいなって願いながらやっているの。
それがあるとは私には断言できないというか、何故かというと、自分も音楽が何も役に立たなかった、この私が役に立たなかったぐらいの絶望を経験したからなの。
だから、でも、だからこそ、音楽の力があればいいなって、ほんとにほんとに、ほんとに強く願いながら、でもここで、こうして何かへぼいながらも歌っていることが、もしかして、すごいすごい大変な毎日を送っている人たちの、ふとした時にはっと聞こえて来てさ、何かほんとふとした時に、ハッて、何かこういう風になれるようなさ（顎を少し上げる）、ほんとそんなちっちゃなことでもいいから、何かそんな風になっていったらいいなと思ったので、そうなっていくためにはどうすればいいかっていうと、やっぱり私たちはここで強い気持ちを持ってさ、歌っていくしかないと思うんだ。
ほんとに私たちが信じてるのは、きっと人ってさ、思うほどさ、弱くないと思うんだ。私はそう、すごい、信じたいと思ってる派なの。」（5/25放送、NHK "SONGS"より）

音楽が何も役に立たなかった絶望、それは多分、最愛の人の死だろうと思います。
そして彼女はMCの最後を、「よかったね、って言える日まで、ここまで来たねって言える日まで、やってこう、みんなで。」と結んでいます。