うみかじBlog

毎年年賀状をやりとりしてくれる、関西のたくちゃんの今年の年賀状には、（3/22に、題名のない音楽会に出演する）と書かれていました。
「そっちでも放送してるかな？見てみてなー！」と。

3/22(日)午前9時から放送予定の「題名のない音楽会」は、「わらべうた　子供に返そう　子供に還ろう」。
たくちゃんは、わらべうたを2曲演奏するようです。

16～17年位前になるでしょうか。
私は京都でOLをしながら、AN MUSIC SCHOOL京都校という所に2年通い（今はMPと名前が変わっているようですが・・・）、ヴォイストレーニングと実技のレッスンを受けていました。

実技では、歌伴の方にピアノを弾いて頂いて課題曲を歌うのですが、PopsやSoul以外に、それまで歌ったことのなかった「On The Sunny Side Of The Street」や「Over The Rainbow」、そしてまた「Misty」や「Alfie」、「Wave」「イパネマの娘」等までありましたっけ・・・。

カラオケでも何でもそうなのですが、歌い手にとって大切なことに、自分のベストのキーを知る、というのがあります。
当時レッスンでは、自分が歌う曲は、あらかじめ自分に一番合いそうなキーを見つけて、五線譜（旋律とコード）をそのキーに移調して手書きして行きました。
歌伴の方は、それを見て演奏して下さる。
その、歌伴というのが、みんなに「たくちゃん」と呼ばれていた多久雅三さんでした。
たくちゃんは、私たちの同期より前にANを卒業して、Vocal科のレッスンの時にお手伝いして下さるピアニストだったので、Vocal科の生徒はみなたくちゃんにお世話になったのです。
たくちゃんのような素晴らしい歌伴は他にいない、と私たちは思っていました。
スクール内外でもプロ・アマのピアニストの歌伴で歌わせて頂く機会はありましたが、私はたくちゃんより歌いやすい歌伴の方に会ったことはありません。

たくちゃんのピアノは、決して歌い手の邪魔をせず、しかもドラマティックで美しかった。
渡しているのは単なるコード譜でしかないのに、流れ出る歌伴は美しく、歌い手の心に響いて更に相乗効果を生むのです。
しかも、歌い手が書いていったキーより高い、もしくは低いキーが合っているかもしれない、と先生がおっしゃったら、すぐその場で移調して演奏する。
私も昔ピアノを習っていたことがあったので少しはわかりますが、ギターにカポを付けるのとは違い、また単純にトライアドを押さえるのでもなく、ピアノで移調するのって大変なのに、たくちゃんはいつも魔術師のように奏でていました。
たくちゃんの歌伴で歌いたい、歌伴なのに聴き惚れる、たくちゃんのピアノなのでした。

日曜日、何年かぶりでたくちゃんのピアノが聴けます。今からとても楽しみにしている私です。